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バンドで売れるだけじゃない「音楽で飯を食う」ための仕事 

若い頃は「バンドで売れて毎日楽しくライブして夢の印税生活」なんて理想図を描いたことありませんか?
一所懸命にバンド活動に打ち込めばいつか芽が出る、なんて思っていませんか?
残念、現実はそう甘くありません。
いくら頑張ってもライブの動員が増えないこともあるし、長く活動していれば有名レーベルから声をかけてくれるエスカレーターも用意なんてされていません。
努力と才能と運が物を言うこの世界、散っていたバンドは数知れず。


高い高いハードルを超え、全国でも少し名が売れてきたレベルになったとしても、思っていた世界とは違っていたりもする。
知人のバンドマンはレーベルに所属し連日スタジオでリハーサル・作曲をし全国を回ってライブをしているが、レーベルに内緒でバイトをして生計を立てている。
地方局のテレビドラマに主題歌でタイアップされたのもあって駅前に大きい広告が展開されていたようなバンドなのに、そこまでの収入なのだ。

また別の知人はミニアルバムの印税が振り込まれて通帳を見たら3万円だった、という話を聞いた。
お金の管理が厳しい(というか不透明)なバンドであったのもあり、それ以外の収入は貰えることがなかったと。
結局はパチンコ屋でアルバイトをしながら活動をしていたが、脱退。
今はその時に付き合っていた彼女と結婚をし、自動車工場で働いている。

その他にも夢半ばで脱落していったバンドマンは数知れず。
心折れることなく頑張っている人も、アルバイトと密接な関係を築いている。


「音楽で飯を食う」ということは全人類の中でも限られた人間にしか与えられないものなのだ。
いや、そんなことはない。



え?
確かに上で書いたバンドマンの苦労話は、あくまで「バンドで飯を食う」ことは難しいという現実を知ってもらいたくて挙げた。
そう、バンドで売れて収入を得るまでの道は険しい。
だが「音楽で飯を食う」こと自体はそこまで高いハードルではない。
というのも、自分がその1人でもあるからだ。
ちゃんと仕事として成り立っていて、会社に属して、世間体も悪くない。
給料は決して高いとは言えないが、生活するのに困ることはない。
なにより音楽に携われる仕事が出来ている。


この社会には、音楽に関係する仕事がたくさんある。
「バンドで飯を食う」だけでなく、「音楽で飯を食う」という選択肢を考えてみようと思う。



ライブハウススタッフ
ライブハウス

恐らく、1番手っ取り早く思いつくのはこれであろう。
ある程度の都市であればライブハウスの数もそれなりにあり、だいだいどこも求人募集している。
受付、バーカウンター、ブッキング、PA、照明…と意外に人手が必要になる。
限りなくバンドに近いところで働けるので、バンド好きにはたまらない職場だろう。
憧れのバンドと仲良くなるチャンスも多い。
必然的に仲間も増えるので毎日楽しいこと間違いない。

デメリットとしては、給料は安い。
アルバイトはあらかた最低賃金だと思った方がいい。
ライブハウスで働きたいというピュアな心に漬け込んで、バンドと仲良くなれるし仕事がてらにライブ見られるし給料安くてもいいでしょ?という魂胆。
書店の時給が低いのと同じ原理。
社員になったところで、大きく変わることはないだろう。
ライブハウスで働くだけではなく、その他に収入を得る方法は考えておいた方が良い。



PA、照明
フェス

僕自身がこれに当てはまる。
ライブやイベント等で音響や照明を設営/操作する仕事。
俗に言う、裏方さん。
ライブハウスのスタッフと何が違うの?と思われるかも知れないが、こちらは大体が音響照明会社として各地へ出向いて働くこととなる。
みんなが大好きなフェスを作り上げたりするがこれに当てはまる。
詳しいことは過去の記事「よく聞かれるのだけど、PAって何してる人なの?」を見てもらえればと思う。

しかし拘束時間は長く、肉体労働である。
労働基準法なんてものはこの業界に存在しない。
自分は20時間労働が最高であるが、ひどい会社はもっとひどい。
フェスやドーム級のコンサートを制作する大きな会社に入ったならば、1ヶ月家に帰れないことなどザラである。
帰れたと思っても、数時間で次の仕事へ行くなんて話もよく聞く。
あとは、音楽の仕事だけではない。
講演会や式典、日本芸能であったりと仕事内容は多岐に渡る。
それはそれで面白いのだけど、音楽の仕事だけがしたいという人には向かないかもしれない。



ローディー
ギター工房

バンドのツアーを一緒に回り、楽器やステージのケアを担当するいわゆるステージマン。
転換で楽器をセッティングし、サウンドチェックで弾いていたりするのはこの方々だ。
DVDのオフショットなんかでもよく映っていたりする。
メンテナンスも行うので、もちろん楽器に精通していなければ成り立たない仕事だ。

入社してすぐに担当を持つことはないが、若いうちから大物アーティストの傍にいられることができる。
また上のPA、照明と同じだがツアーに出てしまうとしばらく家には帰れない。
アーティストによっては日本に帰って来られなくなることもある。



プロモーター
プロモート

コンサートやイベントの企画/運営を担当するこの職業。
誰を呼んでコンサートをするか、どんなイベントにするか、会場の確保や、スケジュール管理、チケットの販売であったり、当日の会場運営や物販の販売、出演者のケア、と非常に重要なポジションである。
その日の興行が成功するか失敗するかはプロモーターにかかっている。
ライブハウスでいうとブッキングスタッフの上位互換である。
成功すれば問題はないが、失敗すればその責任はプロモーターに降りかかる、言わば興行の頭となる。
自分が企画/運営した興行が成功することが出来れば、その達成感は計り知れないであろう。

ただ、上にも書いたように業務内容は非常に多い。
色んな所に目を配らなければならない。
規模が大きくなればなるほど細心の注意を払わなければ、すぐに企画は崩壊するだろう。
すぐにSNSで炎上して叩かれるのもこの役割。
アーティストと観客を繋ぐ仕事である分、大変さも一入だ。



ライター
ライター

バンドの新譜をレビューしたり、インタビューをしたり、ライブへ足を運んで感想を文字として起こし、雑誌ないしWebマガジンとして読んでもらうこの仕事。
有名所であればrockin’onだったり、MUSICA、GiGSであろう。
この職業も比較的バンドと近い関係を持ちながら働くことができる。
一般的な礼儀と文章力、ネットリテラシーを持ち合わせていれば志望できるはずだ。

だがネットが普及してしまった現代では、会社に所属するという意味も薄くなってしまった感じがする。
誰もがブログやSNSを通して情報を発信できるようになってしまったので、わざわざ雑誌を買う必要も少なくなってきた。
有名企業の名を背負って情報を発信する意味は十分にあるのだが、それに等しい力を持つ個人が現れ始めてしまったことは、業界の先細りを予感してしまう。



レコード会社/レーベル
CD.jpg

言わずもがな、アーティストのCD・音源を制作、販売する仕事。
新しいアーティストを発掘して売り出すのもこの仕事の重要な部分である。
メジャー、インディーズを合わせるとかなりの数が存在して、会社ごとに音楽性の色があったりするのも面白い。
メロコアが好きだったらPizza Of Death、少し前に流行った"残響系"と呼ばれた残響レコードもそう。
Vapもラウド系が多いイメージであったが、最近は根こそぎワーナーミュージックに移籍しているのをみると何か勘ぐってしまう。
インディーズレーベルであれば音楽に熱い志を持った人が運営していたりする。

正直なことを言うと、最近はレーベルの「良いでしょ?この音楽!」みたいなノリが感じられて好きになれないバンドが多い。
YouTubeやTwitterにしょうもないバンドの広告が流れてくると頭にくるので、YouTubeのMVに低評価を押しに行くのが日課だ。
我ながら器が小さくてしょうもない人生だと思う。
こんなことさせないでくれ。



レコーディング/マスタリングエンジニア
レコーディング

曲をレコーディングし、音量・音質・バランスや定位を編集して音源とする職業。
音源の良し悪しはここにかかっていると言っても過言ではない。
良いバンドをゴミに変えるのも、悪いバンドを金の卵に変えるのも手腕一つだ。
マスタリングとは、編集された音源を最終的にイコライザーやコンプレッサー等を用いて微調整する工程。
音の迫力や広がりがここで決まります。
海外の有名アーティストのアルバムでクレジットをみると、結構な頻度でマスタリングエンジニアの名に"Ted Jensen"を見かける。
この名前さえ覚えておけばちょっと音楽通になれる魔法の言葉。

ニコニコ動画から発生したMIX師なんてのも、近いものがある。
が、所詮は素人MIXであることが多い。
ちゃんとしたスタジオには高価な機材をふんだんに使って最高の環境で収録をし、長年で培った知識と技術で音源を作り出す。
間違っても風呂場でダイナミックマイクを使ってボーカルRECをすることしない。

制作した音源は全国に、はたまた世界に流通するし、この時代だと自分が亡くなった後も作品は残る。
そう考えると果てしない仕事だ。
もちろんエンジニアになるまではアシスタントとして長い長い下積みの日々を送ることになる。




ざっと「音楽で飯を食う」ための仕事を挙げてみた。
僕自身、バンドが解散して絶望していたのですが、なんとかして音楽に携わりたくて今のPAという仕事に就いた人間。
バンドで売れる為に上京し、アルバイトをしながらも精力的に活動するも陽の目を見ることなくバンドは解散、30代目前で田舎の実家へ帰り農家で働く…という道を歩む前に、方向転換することもできるのではないだろうか。
別にこの世からバンドを減らそうと思ってこの記事を書いている訳ではないことを分かって欲しい。
音楽好きの人たちが音楽が離れて欲しくない。
どうせなら音楽業界で働いて盛り上げていければ楽しくないですか?



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( 2018/10/31 08:30 ) Category コラム | TB(0) | CM(0)

[全曲レビュー] 聴き手を置いてきぼりにする変拍子バンドCö shu NieのEP「Aurora」 

Cö shu Nieが熱いです。
なんて言っていますがバンドの存在自体を知ったのはつい最近。
それこそ東京喰種:reのOPテーマに起用されたことがきっかけなのですが、その一曲で虜にされました。
直接オファーをした原作者である石田スイ先生の良いバンドを見つけるセンスが恐ろしい。
見つかったら最後、喰種が店長を務める珈琲の美味しい喫茶店でバイトを強いられる。
(過去記事 今のうちに知っておいた方が良い、Cö shu Nie)


そんなCö shu Nieが世間から注目されるに至った「asphyxia」のリリースから4ヶ月、ついに期待された新しいEP「Aurora」が発売となりました。

aurora.jpg

前述の「asphyxia」は変拍子を多用して不安定な感じをさせつつも、ボーカルの中村未来が紡ぎ出す美しい歌声とメロディがどことなく東京喰種の主人公である金木研の悲劇を連想させる、完成度の高いTHE タイアップであったが、何一つしがらみのない今作は一体どのようなCö shu Nieが聴けるのであろうか。



1.character



再生した瞬間からシンプルながら突っ込んだ盛り上がりがインパクト大。
大体のCDは1番最初のトラックに気合の入った曲を持ってくるのが定説であるのだけど、まさにその定説。
1曲目から聴き手の心を持っていくアップテンポなナンバー。
かと思いきや残念、その幻想はイントロまでだ。
バグのようなノイズのような騒がしいイントロが終われば、海底に沈められたかのような落差でピアノと打ち込みの切ないフレーズが流れてくる。
そこからは徐々に盛り上がりをみせ、キャッチーなメロディと中村未来のハイトーンな歌声が癖になるサビへ突入する。

特徴である変拍子は、この曲から健在。
変拍子検定3級の自分からしたら何をやっているのか理解が出来ない。
いきなり置いてきぼり状態だ。
目まぐるしく拍子が変わることで、区切り毎で雰囲気の上げ所と落とし所にメリハリがついている。

あとは、上物であるギター、ピアノ、電子音の使いっぷりもセンスが爆発している。
ここまで上物を多用しているのにそれぞれの音がぶつかり喧嘩せず、楽曲として成り立っている。
というか、フロントマンである中村未来のパートが「Vo,Gt,Key,Manipulator」となってるけど、ライブではどうやって制御してるの?
4人いるの?


曲としては「character」の名が示す通り、「個性」や「人間関係」について歌っている。
冒頭の歌詞で

僕らの欠片を踏むな

ねえ どうして張り付けた仮面
偽物だって言える?


とあるように、強い個性を否定する、はたまた没個性を良きとする日本の雰囲気に争っているように思える。

後半は希薄な人間関係に縛り付けられて苦しい思いをするなら、そんなの切り捨てろと。
あれ、こう聞くと割とパンク寄りな思想に感じられる。

社会の雰囲気を否定する曲を歌うことが意外であったが、リード曲としては申し分のない切り込みではないだろうか。
発売日に合わせて公開されたMVは前作に引き続き顔が見えにくい演奏シーン。
シンプルな黒背景でありながら映像のエフェクトが映えて格好良さを演出している。
恐らく、大人の事情な低予算製作。



2.葡萄


一曲目に比べると、少し落ち着いた雰囲気になる。
落ち着いた曲、というよりも暗い曲というのが正しいかもしれない。
バンドの持ち味である変拍子はなりを潜め、ロックバンドっぽさが出ている曲。
イントロの騒がしさからアップテンポな曲かと思うが、そこからの低飛行っぷり。

正直にいうと、この曲だけ感想を書くのが難しい。
「葡萄」というタイトルと詞の内容が全然リンクしない。
何に向けて歌っているのかが、何度聴いても分からない。
というか、何か深い闇を感じる。
いや、まあ奥底に感じる闇はこの曲に限った話ではないのだが。



3.defection


今作では1番静かな、切なさ満載のバラード曲。
最もテンションが低くなるポイント。
メインの楽器もピアノとストリングスがメインとなり、美しさを演出している。
変な言い方ですけどCö shu Nieって、暗い曲が良いんですよね。
中村未来の歌声が綺麗なのと要所の歌い回し、上物を豊富に使うバンドなんでバラードの作り方が上手い。
歌詞の内容も絶妙に暗くて、心にズシっとくる。
「defection = 捨て去ること、逃亡」というテーマで詞が書かれていて、大切な人に裏切られた悲しみとそれまでの時間と思い出を捨ててしまいたいという内容になっている。
こうして聞くと、恋人と別れたのかな?なんて勘繰ってしまう。

個人的に好きなポイントが、サビに入る直前のメロディ。
歌詞としては鉤括弧で括られてセリフのようになっていて、より感情が込められているようにも思える。
1番切なさが強調される部分であって、メロディが綺麗で、中村未来の歌い方が可愛い。
それに尽きる。



4.asura


お待たせしました、変拍子炸裂です。
疾走感のある曲で、1分34秒と短い時間にこれでもかと詰め込まれた変拍子。
だいたい20秒に1回で拍子が変わるので全然ついていけないまま曲が終わる。
聴き手置いてけぼり。
だが曲の流れが破綻していることは無く、まさに目まぐるしく走る抜ける感覚に似ている。
街中の交差点を右へ左へ曲がりながら走っているような感覚というべきか。
とにかく真っ直ぐ走らないんですよね、Cö shu Nie。

ここまで中村未来のことについてばかり触れてきたが、この曲を聴くとベースの松本駿介とドラムの藤田亮介の凄さを思い知る。
よくぞここまで中村未来が作り出す歪な曲についていけるなと。
リズム隊殺しの変拍子だもの。
レコーディングエンジニアもクリック鳴らすの大変だよ。
それでいながらこの完成度だから感服。
この2人がいるからこそ、成り立つんだなと改めて実感する。



5.asphyxia (piano ver.)


言わずもがな、「asphyxia」のピアノバージョン。
YouTubeにもピアノバージョンはアップされているが、あちらは英詞となっている。
ピアノの独奏で聴くとまた違った一面も見えてくる。
そこまで変拍子感がしないというか。
確かに変拍子にはなっているんですが、バンドでのバージョンと比べるとここまで違ってくるものかと。




全曲通して聴いてみた感想としては、Cö shu Nieらしさが前面に推し出ているなと。
変拍子が特徴として話を進めていますが、昔からこの路線という訳でなくどちらかというとポップ寄りであった部分も上手くEPに込められていると感じた。
注目された「asphyxia」だけ聴くと尖ったバンドなのかと思われそうだが、決してそうではない。
初回限定版には過去に会場限定で発売されていたミニアルバム「OVERKILL」のリマスタリングCDがついてくるが、土台はポップさが売りだったんだなと分かる。

EPは各社サブスクリプション配信されているので、気軽にこのEPを聴いてもらいたい。
配信URLまとめ https://smar.lnk.to/2KwJ_AW

期待されていたハードルを軽々と超えてきた今作。
変拍子が流行りになってきているが、楽曲の世界観と完成度は随一じゃないでしょうか。
先頭を突っ走りすぎて聴き手を置いてけぼりにするその変拍子をふんだんに使った曲は聴けば聴くほど癖になる中毒性がある。
レーベルも大プッシュしているCö shu Nieには今後も注目するべきだと。


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( 2018/10/26 08:30 ) Category 邦楽 | TB(0) | CM(0)

cinema staffの飯田瑞規が突然のソロ作品「眩暈」をリリース、突然どうした? 

cinema staffの飯田瑞規についてはösterreichの「楽園の君」にてボーカルを務めたことに関して散々語ってきた。
その時の記事はこちら(何年も待ち望んだ高橋國光と飯田瑞規の共演がついに実現。アニメ 東京喰種:reのEDを担当するösterreich(オストライヒ)が「楽園の君」のMVを公開、先行リリースも発表)


元the Cabsの高橋國光がソロプロジェクトして活動するösterreichに、過去のレーベルメイトであるcinema staffの飯田瑞規が参加するという、残響レコード好きにはたまらない展開であった。
個人的にはここ数年の中でトップ3に食い込む大事件だ。


そんな飯田瑞規が、初のソロ作品をデジタルシングルとしてリリースした。
唐突な発表に、どうした?と言わざるを得ない。



眩暈



cinema staffとは一味違った、飯田瑞規のソロとして落ち着いた曲調の本作。
透き通るメロディに歌声、実体験を元とした過去と未来を描いた歌詞。
美しい、の一言に尽きる曲である。


飯田瑞規のコメントより、

突然の、そして、初めてのソロ作品です。
「楽園の君」のレコーディングを終えて、すぐに書き始めました。
ボーカリストとしての貴重な経験に、背中を押して貰えた気がしています。
歌詞は実体験。
自分の通り抜けて来た「眩暈」、そして純粋にこれからのことを歌っています。
ずっとcinema staffの飯田を見てきてくれた人も、今回アニメを機に知ってくれた方も、是非一度聞いて頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
cinema staff公式HPより


とあるように、楽園の君に刺激を受けて作られた曲のようだ。
なんとも嬉しい展開。
どことなく楽園の君に似た雰囲気を感じるのも、あながち間違いではなかったのかもしれない。
ベースの音で安全確認していたcinema staffはもういない。

曲の最初と最後に「いつか見た夢の影」という一文がこの曲のキーとなっているのであろう。
シングルリピート再生をしているとこの詞が2回連続でくるので多少の違和感があるのは意図しているのか、していないのか。



ともあれ、まさかこの短期間で飯田瑞規の名を頻繁に見ることになると思ってもいなかった。
少なくとも高橋國光という1人のアーティストが周囲に影響を与え始めたことに嬉しさを感じられずにいられない。
この先、飯田瑞規がソロ活動を行っていくかは不明であるが、土台が出来上がっていることは間違いない。
個人名義のホームページも作られちゃってるしね。
最後は単純な結末でどうして大人になることが怖いcinema staffの今後の活動にも期待していきたい。


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( 2018/10/24 08:30 ) Category 邦楽 | TB(0) | CM(0)

日本を代表するダンサー"米津玄師"が2年振りとなるダンス動画を投稿 / MV「Flamingo」が公開 

エンターテイメントとして切っても切れない、一蓮托生であるダンスという文化。
ミュージシャンのバックにはダンサーが曲を盛り上げたて、クラブではお酒を飲みながら音楽に合わせて踊り、お祭りでも盆踊りやサンバだったりと世界共通の表現として愛されるダンス。
TikTokの流行もあって気軽にダンス動画をSNSにアップ出来るようになって、より身近な存在になってきました。


そんなダンス業界、破竹の勢いで人気を獲得しているダンサーがいます。
その名は米津玄師。
ダンスを始めて2週間でYouTubeへ投稿したダンス動画は、2016年10月の投稿から約2年間で1億3000万再生という驚きのデビューを果たしています。
この記録には驚きです。



LOSER

iTunes Store[LOSER - 米津玄師]

とても始めて2週間とは思えない動き。
クネクネと波打つような全身の動き、特に滑るような足の使いは素人目に見てもすごいという一言につきます。

撮影場所も学校の教室、トンネルの中、ビルの屋上と様々な背景で撮られており、工夫が凝らされています。
階段の手すりを滑り降りる中、水が下から迫り上がってくるシーンは、一体どのようにして撮影されたのでしょうか?
一般人でもそんな撮影が出来るスポットが存在するのでしょうか。

また、ダンスの指導は有名なシルク・ドゥ・ソレイユのダンサーから受けたそうなのです。
とは言えその飲み込みの早さは才能としか思えません。
何故そのような有名な指導者の下で教えを得たのか、経緯は分かりませんが鮮烈なデビューを果たしました。
バックの音楽もカッコいいですね。
誰が歌っている曲なのでしょうか?

初投稿以降、表立った活動をせず引退説が囁かれていましたが、2018年10月20日に2年振り2作目となるダンス動画がついにYouTube投稿されました。



Flamingo


空白の期間はどのような活動を行なっていたのかは全く謎ですが、ダンサーとしての腕前は前作を超えています。
タイトルのフラミンゴを連想させられる真っ赤な衣装に身を包み、地下の駐車場を舞台に撮影されています。
以前にも増して細かな動作のキレが良くなり、指先にまで神経を尖らせているのが動画越しにも伝わってきます。
インド人も驚く首の動きにも要注目です。
バックの音楽もカッコいいですね。
誰が歌っている曲なのでしょうか?


車同士が衝突するシーンや、綺麗な女性が出演していたりと、今作も演出に力の入った動画となっています。
インパクトのある車の衝突シーンですが、動画のために車2台をこのような使い方が出来るなんてお金持ちの可能性があります。
この記事を書いているのは動画が投稿されて4時間後なのですが、すでに再生回数は60万回を超えています。
人気ダンサーの2年振りとなる投稿に、待ちわびた人々が大勢いることが伺えます。




たった2作のみで世界から注目され、日本を代表するダンサーとなった米津玄師。
新たに公開された「Flamingo」も、このままのペースで再生されればあっという間に1000万再生、1億再生となるでしょう。
とはいえ、謎に包まれた部分が多い彼は一体何者なのでしょうか?
両作ともに音楽が非常にカッコいい音楽を使っていますが、アーティスト名も曲名も一切が情報がなく、自身が作成したオリジナル音源の可能性が高いです。

次の動画投稿が待ち遠しいところですが、前作からのスパンを考えると首を長くして待つのが良いかもしれません。
エヴァンゲリオン並みの公開スパン。
関連動画に出てくる「Lemon」という動画にも出演しているので、興味のある方はぜひそちらも視聴してみてください。


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( 2018/10/21 01:04 ) Category 邦楽 | TB(0) | CM(0)

鬼束ちひろを悪魔の使者だと勘違している人たちの誤解を解きたい 

「月光」と聞いて思い浮かぶのは鬼束ちひろかベートーヴェンによるピアノソナタ第14番のどちらかであろう。
ベートーヴェンの月光はバイオハザードでお世話になった人も多いであろう。
僕はジル一択のライトプレイヤーだったのでピアノの謎解きで苦労したことがないです。
真っ先にグレネードランチャーを拾いに行く派です。


さて、問題は前者の鬼束ちひろだ。
包丁の上でうたた寝しちゃう鬼束ちひろ。
炎上案件多数のあの人。


月光



ドラマ「トリック」の主題歌として話題になったこの曲。
ドラマのヒットも相まって、ロングヒットを記録したデビュー2作目。
ピアノとストリングスで構成されたシンプルな伴奏に、独特な歌声を持つ鬼束ちひろの美しいメロディは多くの人の記憶に残っているであろう。
この「月光」が収録されている1stアルバムはミリオンセラーを記録。
BOOKOFFに行けば108円で買える程の流通をしてみせた作品です。

デビュー初期の月光がリリースされた頃はちょっと謎めいた清楚な巨乳美女であった。
そう、意外と巨乳なのだ。

鬼束ちひろ

最高に好き。
月光のMVだとミステリアスな印象が強かっただけに、笑顔のギャップにやられる。
こんな美女がハスキーな声で私は神の子なんて歌うだなんて。
転機となる2010年頃まではこの路線。
このままの変わらぬ路線でいてくれることを望んでいただけに、神様は残酷である。




鬼束ちひろ2

お茶の間に恐怖と沈黙を与えた問題のビジュアル。
実写版和製ハーレイ・クイン。
奇抜なメイクに、パンキッシュな衣装、腕から覗かせるタトゥーの数々。
突然の変貌にファンは戸惑いを隠せず、世間からはキ○ガイ・精神異常者として色物扱いされるように。
それもそうだよな、「有り余るパワーをコントロールするため」にタトゥーを彫ったなんて言う人に正気があるとは思えない。
Twitter始めたかと思った途端に炎上発言して事務所に取り上げられてたもんな。


表向きはメロコア好きの隠れ鬼束ちひろファンとしては、この変わりっぷりには動揺を隠せなかった。
人間誰しも良い部分より悪い部分の方が目につき易いし、長く記憶に残る。
恐らく多くの人はこの邪教徒のイメージが強いだろう。
それまでメディアへの露出は少なかったのに、パンキッシュちひろになってからは面白いもの見たさで色んなメディアに呼ばれ、本人もそれに出ちゃうもんだからとてつもないスピードで話題は広まりましたし。
大人しくしとけや。


人の第一印象は見た目で決まると言われますが、本当にそれで良いのだろうか?
確かに荒れていた時代の格好と言動は、到底一般人には理解できないし、非難されることも仕様が無い。
しかし、彼女はシンガーソングライターである。
音楽で評価するべきではないのかと僕は思うんですよ。
槇原○之も今でこそ順風満帆に活動してますが、あの人過去に覚せい剤で逮捕されてますからね?
評価する土俵をいま一度仕切り直して、鬼束ちひろの創り出す音楽を聴いてみてみるべきではないのか。







こんな美しい曲を世間のイメージで忌避して聴かないのは間違っている。
正確には狂気の変貌を遂げる直前にリリースされた曲なのだが、作っている人間は同じだ。
上の月光と同じくピアノとストリングスが基本となるバラードであるが、より儚い雰囲気を感じさせる。
「蛍の光」ではないが、何かが終わる予感を受けてしまう。

鬼束ちひろの特徴として、作曲をする際は先に詞を書き、その詞が持つ雰囲気を壊さぬようにメロディを付ける詞先タイプである。
この蛍は「美」を念頭に置いて詞を書かれているので、美しい曲だと思ってしまえばそれは鬼束ちひろの思惑通りであるわけだ。


と、まぁあのビジュアルをした人がこんな曲を作ることを知ってもらいたくて、飛び切り綺麗な曲を挙げたのだが、もちろん蛍以外にも鬼束ちひろの作り出す楽曲は代用が効かない唯一無二の世界観を持っている。
精神的なところが大きいのか、最近は暗めなバラードが多いが、初期の頃は明るいアップテンポな曲も比較的多く収録されている。



ヒナギク




あと知ってもらいたいのが、既に鬼束ちひろは更生していること。
邪気が抜けたのか薬が抜けたのかは分からないが、すっかり綺麗な神の子に戻っている。
歳を取ったのと痩せたことで顔つきは少しキツくなったように思えるが、KISSのメンバーに志願していた頃に比べたら月とスッポンである。
デビューから18年経った今でも変わらぬ歌声とブレない楽曲はさすがの一言である。
結婚していたことを3年も隠し通すのもさすがの一言だ。
おいおい、聞いてねえよ…
まぁ、ここまで更生できたのも一般人である夫の影響が大きいのかもしれない。
グッジョブ旦那、でも許さない。




ここまで長々と語ってきたが、音楽家は音楽で評価するべきであるということ。
鬼束ちひろに関しては突然ということもあり悪い方向にビジュアルや言動のイメージが広まってしまったが、その先行するイメージは取り払って欲しい。
最近ではコンサートツアーを行うことも増えてきて、活動も活発になってきた。
ライブでは全身全霊を込めて歌う姿は、見ものである。
いや、僕もYoutubeでしか見たことないんですけどね。
いつか一度は足を運びたいアーティストである。
どんな格好をしていても鬼束ちひろは変わらないし、これからも独自の世界観を持つ楽曲をリリースしていくことだろう。


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感想(0件)




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