マスロックって聞き馴染みがないジャンルですよね。
「複雑で変則的なリズム、ギターを中心とした鋭角的なメロディや不協和音などが特徴」とWikipediaには書かれています。
数学のように複雑なリズム、コードを多用するジャンルだと捉えればいいんじゃないでしょうか。
とにかく何やってるか理解できない。
頭の中をかき乱されるような、雪崩のように押し寄せる音が癖になります。
そんなマスロックに代表されるバンドとしてthe Cabsがいます。

正確にはいました。
2013年に解散しています。
原因はメンバーの失踪から発覚した数々の問題により活動継続が不可能となり解散のアナウンスがされました。
1stフルアルバムのツアー中に起こった出来事であり、当然ツアーは中止。
これからを期待されていたバンドだけに残念な終わりとなってしまいました。
大きく売れた訳ではないですが、根強い人気のあるバンドです。
メンバーは
Vo./Ba. 首藤義勝
Gt./Vo. 高橋國光
Dr 中村一太
の3ピースバンド。
解散後は首藤義勝はKEYTALKで活動中、中村一太は解散してしまったplentyにて活動していました。
解散の引き金となった高橋國光は数年間音沙汰がなかったですが、österreichとしてアニメ「東京喰種√A」のOPを機に活動を再開。
目覚ましい活躍をしています。
だって3人が3人共天才なんだもん。
そりゃ引く手数多の引っ張りだこですよ。
個人的に1番の天才・立役者は高橋國光だと思います。
作詞と楽曲の原型は彼によって作られました。
特に歌詞は練りに練られ、メッセージ性の強いものとなっています。
要注目。
こんな文学的な歌詞書くバンドそうそういないです。
anschluss1stフルアルバム「再生の風景」からの1曲。
曲が始まって1行目の歌詞にインパクトをつけるようにしているとインタビューで語っており、「絵画の海に溺れていく」という言い回しと詞の意味が曲にマッチしています。
この曲はthe Cabsとしてはかなり大人しめであるが、ギターのアルペジオは音数が、ドラムは手数が多く聴き応え十分。
それでいながらボーカル首藤のメロディラインを引き立たせている。
the Cabsとしての成長を感じられる1曲。
解散しちゃったんですけどね。
二月の兵隊1stミニアルバム「一番はじめの出来事」より。
いきなりマスロック全開。
ギターどうなってんのよ。
理論立てているというよりも感覚で作曲しているように感じる。
あとドラムの手数が半端ない。
中村一太が「爆撃機」と呼ばれるのも納得である。
曲中盤の間奏では双方が入り乱れてぶつかり合って凄まじいことになっている。
キェルツェの螺旋2ndミニアルバム「回帰する呼吸」より
1分45秒という短い曲だが、やれることを詰められるだけ詰め込んだ傑作。
すべての要素が無茶苦茶やっているようだが、ギター、ベース、ドラムが綺麗に噛み合って奇跡のまとまりを見せている。
これこそがマスロックの真骨頂ではないでしょうか。
短い曲というのもあるが、歌詞はたったの5行。
その1行目「綺麗な服に火をつけて燃やしてみたい」は他の曲と同様に強い印象を残している。
相当世の中が歪んで見えていないとこの詞は書けないと思う。
the cabs キェルツェの螺旋 & 僕たちに明日はない LIVE
現存する数少ないライブ映像。
野獣の如く吠える高橋、冷静な顔で爆撃を続ける中村、我関せずの首藤。
生で観てみたかった。
散々CDで聴いてきた難解なフレーズを実際に演奏している姿を見ると、本当に天才の集まりだったんだなと実感してしまう。
楽曲だけでなくライブも見応えがある。
聴けば聴くほど、これ以上の天才集団はもう現れないんじゃないかと思うほど完成度が高い。
唯一無二のバンドとして活躍していく様を見続けていきたかったと心底思う。
出来ることなら再結成を望んでいる。
the Cabsの新曲を聴くことは出来ないが、ブレインであった高橋が製作した楽曲が
SOUNDCLOUDにアップされているので、the Cabsレスの方はそちらを聴いてみたらどうだろうか。
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