赤いスーツを身に纏い、ステージから客席へ前のめりになりながら全身全霊のライブをする名古屋のロックンロール暴れ馬ことビレッジマンズストア。
2018年8月22日にリリースされたアルバム「YOURS」がサブスクリプション配信開始したので聴いてみたのですが、前作に比べてさらに研ぎ澄まされている。
尖った曲はより鋭くなり、泣きの曲はより深みが増している。
ビレッジマンズストアの持ち味である骨太のロックサウンドに水野ギイから放たれる唯一無二のボイス。
正直、カリスマ性に溢れるこの声質は初めて聴いた時に衝撃を受けた。
その上でTwitterでのつぶやきは変人感満載。
ロックしてる人って頭のネジがあれなんだなと思わざるを得ない。
そんなビレッジマンズストアの「YOURS」は、再生時間たった35分のアルバムだがそんじょそこらのバンドと濃密度が違う。
トラップこの曲は2017年にシングルで発売されていたもの。
ビレッジマンズ節が炸裂の攻撃的で激しいロックナンバー。
とにかくギターがいい味を出してる。
至る所で飛び道具として入ってくるギターが荒々しさを増している。
そしてギターに負けぬ水野ギイの力強いボーカル。
あと、ビレッジマンズストアって歌詞が独特なんですよね。
単語の一つひとつが文学的であり、文章になれば攻撃的。
この点も夢中になってしまう要素の一つであると感じる。
兎にも角にも、この「トラップ」は、現在のビレッジマンズストアを1発で理解してもらえる、まさに象徴とも言える1曲である。
すれちがいのワンダー暴れるだけしか能がない訳ではなく、切ない曲も心にグッとくるメロディと歌詞。
誰かへ向けたさよならの曲なのだが、ただのバラードとは感じられない。
他の曲と比べれば優しい歌い方をしているが、そんな中でも裏に見え隠れするパワフルさが曲の良さを引き立てている。
楽器隊もそれなりに激しく演奏しているにも関わらず、一切その感じをさせない。
正しい夜明けアルバムを締めくくるラストのナンバー。
前作のアルバムタイトルをそのまま曲名に、さらに最後に持ってくるのも味がある。
こちらも大人しめなイントロから始まるが、Bメロから突如激しさを増す。
無味乾燥な仕事をこなしつつ、ステージ上ではその鬱憤を晴らすバンドマンを謳っているように感じるこの曲。
冒頭の歌詞で
簡単だよ 今日の仕事は
バグを数えて紙に線を引く
「ああどうして縦と横でしか描かれない」
と斜に構えちゃうんだな
とあるように数を数える際に使われる「正」の字が、タイトルである「正しい」と掛かっている。
この曲は「夜明け方の正解」という意味ではなく、黙々とバグを数えながら「正」を書き続けることで明ける夜をこの曲では歌っている。
あとは水野ギイのイケメン度。
こんなに歌が上手くてロックで暴れまくってるのに、甘いマスクのイケメンとかギャップが大きすぎて困惑する。
それでいてTwitterではパンチの効いた発言するもんだから非の打ち所がない。
人生やり直せるなら水野ギイとして生まれ変わりたいです神様。
正直、昔は赤いスーツを着たイロモノバンドだと思っていた自分が恥ずかしい。
こんなにロックなバンドはそうそう存在しない。
今作の良さを語ったが、過去作もライブでは外せない曲が目白押しの良作である。
着実にその人気を全国へと広げ、これから目が離せないバンドの1つであることは間違いない。
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