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[全曲レビュー] 聴き手を置いてきぼりにする変拍子バンドCö shu NieのEP「Aurora」 

Cö shu Nieが熱いです。
なんて言っていますがバンドの存在自体を知ったのはつい最近。
それこそ東京喰種:reのOPテーマに起用されたことがきっかけなのですが、その一曲で虜にされました。
直接オファーをした原作者である石田スイ先生の良いバンドを見つけるセンスが恐ろしい。
見つかったら最後、喰種が店長を務める珈琲の美味しい喫茶店でバイトを強いられる。
(過去記事 今のうちに知っておいた方が良い、Cö shu Nie)


そんなCö shu Nieが世間から注目されるに至った「asphyxia」のリリースから4ヶ月、ついに期待された新しいEP「Aurora」が発売となりました。

aurora.jpg

前述の「asphyxia」は変拍子を多用して不安定な感じをさせつつも、ボーカルの中村未来が紡ぎ出す美しい歌声とメロディがどことなく東京喰種の主人公である金木研の悲劇を連想させる、完成度の高いTHE タイアップであったが、何一つしがらみのない今作は一体どのようなCö shu Nieが聴けるのであろうか。



1.character



再生した瞬間からシンプルながら突っ込んだ盛り上がりがインパクト大。
大体のCDは1番最初のトラックに気合の入った曲を持ってくるのが定説であるのだけど、まさにその定説。
1曲目から聴き手の心を持っていくアップテンポなナンバー。
かと思いきや残念、その幻想はイントロまでだ。
バグのようなノイズのような騒がしいイントロが終われば、海底に沈められたかのような落差でピアノと打ち込みの切ないフレーズが流れてくる。
そこからは徐々に盛り上がりをみせ、キャッチーなメロディと中村未来のハイトーンな歌声が癖になるサビへ突入する。

特徴である変拍子は、この曲から健在。
変拍子検定3級の自分からしたら何をやっているのか理解が出来ない。
いきなり置いてきぼり状態だ。
目まぐるしく拍子が変わることで、区切り毎で雰囲気の上げ所と落とし所にメリハリがついている。

あとは、上物であるギター、ピアノ、電子音の使いっぷりもセンスが爆発している。
ここまで上物を多用しているのにそれぞれの音がぶつかり喧嘩せず、楽曲として成り立っている。
というか、フロントマンである中村未来のパートが「Vo,Gt,Key,Manipulator」となってるけど、ライブではどうやって制御してるの?
4人いるの?


曲としては「character」の名が示す通り、「個性」や「人間関係」について歌っている。
冒頭の歌詞で

僕らの欠片を踏むな

ねえ どうして張り付けた仮面
偽物だって言える?


とあるように、強い個性を否定する、はたまた没個性を良きとする日本の雰囲気に争っているように思える。

後半は希薄な人間関係に縛り付けられて苦しい思いをするなら、そんなの切り捨てろと。
あれ、こう聞くと割とパンク寄りな思想に感じられる。

社会の雰囲気を否定する曲を歌うことが意外であったが、リード曲としては申し分のない切り込みではないだろうか。
発売日に合わせて公開されたMVは前作に引き続き顔が見えにくい演奏シーン。
シンプルな黒背景でありながら映像のエフェクトが映えて格好良さを演出している。
恐らく、大人の事情な低予算製作。



2.葡萄


一曲目に比べると、少し落ち着いた雰囲気になる。
落ち着いた曲、というよりも暗い曲というのが正しいかもしれない。
バンドの持ち味である変拍子はなりを潜め、ロックバンドっぽさが出ている曲。
イントロの騒がしさからアップテンポな曲かと思うが、そこからの低飛行っぷり。

正直にいうと、この曲だけ感想を書くのが難しい。
「葡萄」というタイトルと詞の内容が全然リンクしない。
何に向けて歌っているのかが、何度聴いても分からない。
というか、何か深い闇を感じる。
いや、まあ奥底に感じる闇はこの曲に限った話ではないのだが。



3.defection


今作では1番静かな、切なさ満載のバラード曲。
最もテンションが低くなるポイント。
メインの楽器もピアノとストリングスがメインとなり、美しさを演出している。
変な言い方ですけどCö shu Nieって、暗い曲が良いんですよね。
中村未来の歌声が綺麗なのと要所の歌い回し、上物を豊富に使うバンドなんでバラードの作り方が上手い。
歌詞の内容も絶妙に暗くて、心にズシっとくる。
「defection = 捨て去ること、逃亡」というテーマで詞が書かれていて、大切な人に裏切られた悲しみとそれまでの時間と思い出を捨ててしまいたいという内容になっている。
こうして聞くと、恋人と別れたのかな?なんて勘繰ってしまう。

個人的に好きなポイントが、サビに入る直前のメロディ。
歌詞としては鉤括弧で括られてセリフのようになっていて、より感情が込められているようにも思える。
1番切なさが強調される部分であって、メロディが綺麗で、中村未来の歌い方が可愛い。
それに尽きる。



4.asura


お待たせしました、変拍子炸裂です。
疾走感のある曲で、1分34秒と短い時間にこれでもかと詰め込まれた変拍子。
だいたい20秒に1回で拍子が変わるので全然ついていけないまま曲が終わる。
聴き手置いてけぼり。
だが曲の流れが破綻していることは無く、まさに目まぐるしく走る抜ける感覚に似ている。
街中の交差点を右へ左へ曲がりながら走っているような感覚というべきか。
とにかく真っ直ぐ走らないんですよね、Cö shu Nie。

ここまで中村未来のことについてばかり触れてきたが、この曲を聴くとベースの松本駿介とドラムの藤田亮介の凄さを思い知る。
よくぞここまで中村未来が作り出す歪な曲についていけるなと。
リズム隊殺しの変拍子だもの。
レコーディングエンジニアもクリック鳴らすの大変だよ。
それでいながらこの完成度だから感服。
この2人がいるからこそ、成り立つんだなと改めて実感する。



5.asphyxia (piano ver.)


言わずもがな、「asphyxia」のピアノバージョン。
YouTubeにもピアノバージョンはアップされているが、あちらは英詞となっている。
ピアノの独奏で聴くとまた違った一面も見えてくる。
そこまで変拍子感がしないというか。
確かに変拍子にはなっているんですが、バンドでのバージョンと比べるとここまで違ってくるものかと。




全曲通して聴いてみた感想としては、Cö shu Nieらしさが前面に推し出ているなと。
変拍子が特徴として話を進めていますが、昔からこの路線という訳でなくどちらかというとポップ寄りであった部分も上手くEPに込められていると感じた。
注目された「asphyxia」だけ聴くと尖ったバンドなのかと思われそうだが、決してそうではない。
初回限定版には過去に会場限定で発売されていたミニアルバム「OVERKILL」のリマスタリングCDがついてくるが、土台はポップさが売りだったんだなと分かる。

EPは各社サブスクリプション配信されているので、気軽にこのEPを聴いてもらいたい。
配信URLまとめ https://smar.lnk.to/2KwJ_AW

期待されていたハードルを軽々と超えてきた今作。
変拍子が流行りになってきているが、楽曲の世界観と完成度は随一じゃないでしょうか。
先頭を突っ走りすぎて聴き手を置いてけぼりにするその変拍子をふんだんに使った曲は聴けば聴くほど癖になる中毒性がある。
レーベルも大プッシュしているCö shu Nieには今後も注目するべきだと。


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( 2018/10/26 08:30 ) Category 邦楽 | TB(0) | CM(0)

cinema staffの飯田瑞規が突然のソロ作品「眩暈」をリリース、突然どうした? 

cinema staffの飯田瑞規についてはösterreichの「楽園の君」にてボーカルを務めたことに関して散々語ってきた。
その時の記事はこちら(何年も待ち望んだ高橋國光と飯田瑞規の共演がついに実現。アニメ 東京喰種:reのEDを担当するösterreich(オストライヒ)が「楽園の君」のMVを公開、先行リリースも発表)


元the Cabsの高橋國光がソロプロジェクトして活動するösterreichに、過去のレーベルメイトであるcinema staffの飯田瑞規が参加するという、残響レコード好きにはたまらない展開であった。
個人的にはここ数年の中でトップ3に食い込む大事件だ。


そんな飯田瑞規が、初のソロ作品をデジタルシングルとしてリリースした。
唐突な発表に、どうした?と言わざるを得ない。



眩暈



cinema staffとは一味違った、飯田瑞規のソロとして落ち着いた曲調の本作。
透き通るメロディに歌声、実体験を元とした過去と未来を描いた歌詞。
美しい、の一言に尽きる曲である。


飯田瑞規のコメントより、

突然の、そして、初めてのソロ作品です。
「楽園の君」のレコーディングを終えて、すぐに書き始めました。
ボーカリストとしての貴重な経験に、背中を押して貰えた気がしています。
歌詞は実体験。
自分の通り抜けて来た「眩暈」、そして純粋にこれからのことを歌っています。
ずっとcinema staffの飯田を見てきてくれた人も、今回アニメを機に知ってくれた方も、是非一度聞いて頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
cinema staff公式HPより


とあるように、楽園の君に刺激を受けて作られた曲のようだ。
なんとも嬉しい展開。
どことなく楽園の君に似た雰囲気を感じるのも、あながち間違いではなかったのかもしれない。
ベースの音で安全確認していたcinema staffはもういない。

曲の最初と最後に「いつか見た夢の影」という一文がこの曲のキーとなっているのであろう。
シングルリピート再生をしているとこの詞が2回連続でくるので多少の違和感があるのは意図しているのか、していないのか。



ともあれ、まさかこの短期間で飯田瑞規の名を頻繁に見ることになると思ってもいなかった。
少なくとも高橋國光という1人のアーティストが周囲に影響を与え始めたことに嬉しさを感じられずにいられない。
この先、飯田瑞規がソロ活動を行っていくかは不明であるが、土台が出来上がっていることは間違いない。
個人名義のホームページも作られちゃってるしね。
最後は単純な結末でどうして大人になることが怖いcinema staffの今後の活動にも期待していきたい。


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( 2018/10/24 08:30 ) Category 邦楽 | TB(0) | CM(0)

日本を代表するダンサー"米津玄師"が2年振りとなるダンス動画を投稿 / MV「Flamingo」が公開 

エンターテイメントとして切っても切れない、一蓮托生であるダンスという文化。
ミュージシャンのバックにはダンサーが曲を盛り上げたて、クラブではお酒を飲みながら音楽に合わせて踊り、お祭りでも盆踊りやサンバだったりと世界共通の表現として愛されるダンス。
TikTokの流行もあって気軽にダンス動画をSNSにアップ出来るようになって、より身近な存在になってきました。


そんなダンス業界、破竹の勢いで人気を獲得しているダンサーがいます。
その名は米津玄師。
ダンスを始めて2週間でYouTubeへ投稿したダンス動画は、2016年10月の投稿から約2年間で1億3000万再生という驚きのデビューを果たしています。
この記録には驚きです。



LOSER

iTunes Store[LOSER - 米津玄師]

とても始めて2週間とは思えない動き。
クネクネと波打つような全身の動き、特に滑るような足の使いは素人目に見てもすごいという一言につきます。

撮影場所も学校の教室、トンネルの中、ビルの屋上と様々な背景で撮られており、工夫が凝らされています。
階段の手すりを滑り降りる中、水が下から迫り上がってくるシーンは、一体どのようにして撮影されたのでしょうか?
一般人でもそんな撮影が出来るスポットが存在するのでしょうか。

また、ダンスの指導は有名なシルク・ドゥ・ソレイユのダンサーから受けたそうなのです。
とは言えその飲み込みの早さは才能としか思えません。
何故そのような有名な指導者の下で教えを得たのか、経緯は分かりませんが鮮烈なデビューを果たしました。
バックの音楽もカッコいいですね。

初投稿以降、表立った活動をせず引退説が囁かれていましたが、2018年10月20日に2年振り2作目となるダンス動画がついにYouTube投稿されました。



Flamingo


空白の期間はどのような活動を行なっていたのかは全く謎ですが、ダンサーとしての腕前は前作を超えています。
タイトルのフラミンゴを連想させられる真っ赤な衣装に身を包み、地下の駐車場を舞台に撮影されています。
以前にも増して細かな動作のキレが良くなり、指先にまで神経を尖らせているのが動画越しにも伝わってきます。
インド人も驚く首の動きにも要注目です。
バックの音楽もカッコいいですね。


車同士が衝突するシーンや、綺麗な女性が出演していたりと、今作も演出に力の入った動画となっています。
インパクトのある車の衝突シーンですが、動画のために車2台をこのような使い方が出来るなんてお金持ちの可能性があります。
この記事を書いているのは動画が投稿されて4時間後なのですが、すでに再生回数は60万回を超えています。
人気ダンサーの2年振りとなる投稿に、待ちわびた人々が大勢いることが伺えます。




たった2作のみで世界から注目され、日本を代表するダンサーとなった米津玄師。
新たに公開された「Flamingo」も、このままのペースで再生されればあっという間に1000万再生、1億再生となるでしょう。
とはいえ、謎に包まれた部分が多い彼は一体何者なのでしょうか?
両作ともに音楽が非常にカッコいい音楽を使っていますが、アーティスト名も曲名も一切が情報がなく、自身が作成したオリジナル音源の可能性が高いです。

次の動画投稿が待ち遠しいところですが、前作からのスパンを考えると首を長くして待つのが良いかもしれません。
エヴァンゲリオン並みの公開スパン。
関連動画に出てくる「Lemon」という動画にも出演しているので、興味のある方はぜひそちらも視聴してみてください。


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( 2018/10/21 01:04 ) Category 邦楽 | TB(0) | CM(0)
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Author:六兵衛
音楽好きをこじらせてPA/音響やっています。
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・邦楽、洋楽の紹介/レビュー
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